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宝企画のよもやま話~支える安全管理~

皆さんこんにちは!

株式会社宝企画の更新担当の中西です。

 

~支える安全管理~

 

船舶塗装は、広い船体、高所、狭いタンク内部など、さまざまな環境で行われます。

作業では、足場、高圧洗浄機、研磨工具、スプレー機器、塗料、溶剤などを使用します。

塗装品質を高めることはもちろん重要ですが、作業者や周囲の安全を守れなければ、工事を成功させることはできません。

船舶塗装業では、転落、火災、粉じん、有機溶剤、酸欠、塗料飛散など、複数の危険を同時に管理する必要があります⚠️

また、完成した塗膜は見た目だけでなく、膜厚、密着、塗り残しなどを検査し、求められる品質を満たしているか確認します。

今回は、船舶塗装業における安全管理、品質検査、技術継承についてご紹介します。

作業前に危険箇所を共有する

工事を始める前に、その日の作業内容と危険箇所を確認します

どの範囲を洗浄するのか、どこで研磨やスプレー塗装を行うのか、他の業者がどこで作業しているのかを共有します。

造船所やドックでは、溶接、電気、配管、機械整備など、多くの職種が同時に作業します。

塗装中の近くで火気作業を行えば、火災や爆発の危険が高まる可能性があります

作業区域と時間を調整し、互いの作業が影響しないようにします。

異常を感じたときの停止方法や連絡先も確認します。

高所作業の安全管理

船体外板や上部構造の塗装では、高所作業が必要です。

足場、ゴンドラ、高所作業車などを使用します

作業床に隙間や緩みがないか、手すりや昇降設備が適切かを確認します。

塗料や工具を持った状態で無理に移動すると、バランスを崩す可能性があります。

落下防止用の設備を使用し、工具や塗料容器が下へ落ちないようにします。

足元へ塗料や水がこぼれると滑りやすくなるため、早めに清掃します。

風が強い日は、足場やスプレー作業への影響が大きくなります。

高所で安全を確保できない場合は、作業を中止する判断が必要です。

閉鎖空間での作業

船内タンクや狭い区画は、空気がこもりやすい場所です。

酸素が不足したり、塗料や溶剤の蒸気が高濃度になったりする危険があります

作業前に内部の状態を確認し、十分な換気を行います。

送風機や排気設備を設置し、常に新しい空気が流れる状態をつくります。

一人だけで内部へ入るのではなく、外部で監視する人を配置します。

体調不良や異常が発生した場合に、すぐ連絡・救助できる体制が必要です。

防毒マスクや呼吸用保護具も、塗料や作業条件に合ったものを選びます。

マスクを着けているから安心ではなく、吸収缶の使用時間や密着状態も管理します。

粉じんと塗料ミストへの対策

研磨やブラスト作業では、大量の粉じんが発生します。

古い塗膜の成分や研掃材を吸い込まないよう、適切な呼吸用保護具を使用します。

スプレー塗装では、細かな塗料ミストが空気中へ広がります

目や皮膚へ付着する可能性もあるため、保護眼鏡、手袋、防護服などを使用します。

作業区域を養生し、周囲の人や設備へ飛散しないようにします。

屋外では、風向きによって予想以上に遠くへ飛ぶことがあります。

風速や周辺環境を確認し、必要に応じて工法を変更します。

火災と爆発を防ぐ

塗料や希釈剤の中には、引火しやすいものがあります。

保管場所での火気を避け、容器のふたを閉めます

使用量以上の材料を作業場所へ持ち込まず、こぼした場合はすぐに処理します。

静電気や火花が発生する設備にも注意が必要です。

閉鎖空間では、可燃性蒸気がたまらないように換気します。

火気作業を行う他業者と工程を分け、塗装後も十分に換気が行われるまで注意します。

塗料を安全に保管する

塗料は、直射日光や高温を避け、種類ごとに整理して保管します

主剤、硬化剤、希釈剤を取り違えないように表示します。

古い塗料や使用期限を過ぎた材料を誤って使用しないよう、入庫日や開封日を管理します。

容器が破損している場合は、漏れや蒸気の発生へ注意します。

作業後に残った混合済み塗料は、元の容器へ戻してはいけません。

未使用材料と反応し、容器内で硬化や発熱が起こる可能性があります。

施工中の品質確認

塗装作業中は、塗り残し、たれ、透け、異物付着などを確認します

広い船体では、作業者自身が気づきにくい場所もあります。

照明の角度を変えたり、別の作業者が確認したりすることで、見落としを減らします。

湿った状態で確認できる問題は、その場で修正します。

乾燥後に発見すると、研磨や再塗装が必要になり、工程が増えます。

角部や溶接部へ十分な塗料が付いているかも確認します。

膜厚を測定する

乾燥後には、塗膜の厚さを測定します

一か所だけでなく、船体の複数箇所を測ります。

平均値が基準を満たしていても、一部に極端に薄い場所があれば、そこから腐食が始まる可能性があります。

測定器は、使用前に状態を確認し、正しい方法で使います。

測定位置、結果、追加塗装の有無を記録します。

塗膜が厚すぎる場合も、必ずしも良いとは限りません。

仕様の範囲内に収まっていることが重要です。

塗り残しや小さな穴を確認する

タンク内部や厳しい防食性能が必要な場所では、塗膜の小さな穴や欠陥が問題になることがあります。

見た目では確認しにくい欠陥を、専用の検査機器で調べる場合があります

溶接部、角部、複雑な構造周辺は、重点的に確認します。

異常が見つかった場合は、表面を整え、適切な範囲を補修します。

検査のために塗膜を傷めないよう、仕様に合った方法を選びます。

密着状態を確認する

塗膜が見た目にきれいでも、下地へ十分に密着していない場合があります。

必要に応じて、試験や確認を行います。

密着不良が見つかった場合、上から塗り重ねても根本的な解決になりません。

下地処理、塗り重ね時間、水分、油分など、原因を調べます

問題のある範囲を除去し、正しい工程で再施工します。

原因を記録し、同じ不具合を繰り返さないことが重要です。

完成後の記録を残す

工事完了後には、使用した塗料、ロット、配合、施工日、気象条件、膜厚、補修内容などを記録します

写真も工程ごとに残します。

次回の塗り替え時に、以前の仕様や傷み方を確認できます。

船舶は長期間使用されるため、担当者が変わっても履歴を追える状態が必要です。

施工記録は、工事を終えるための書類ではなく、将来の維持管理へつなげる情報です。

熟練者の技術を若手へ伝える

船舶塗装には、経験によって身につく判断があります。

スプレー音の変化、塗料の霧化状態、たれが発生しそうな表面、乾燥の進み方など、数値だけでは分からない情報があります

ベテランの作業を若手が見て覚えることは重要ですが、それだけでは判断の理由が伝わらない場合があります。

「なぜこの距離で吹くのか」「なぜ今は塗れないのか」を言葉で説明します。

写真や動画、施工記録を教材として活用することも有効です

成功例だけでなく、塗膜不良やヒヤリハットの事例も共有します。

失敗を隠すのではなく、原因と対策を学ぶことで、会社全体の技術力が高まります。

機械化と職人技を組み合わせる

高圧洗浄機、ブラスト設備、エアレススプレー、膜厚計など、船舶塗装では多くの機械を使用します⚙️

機械によって、広い範囲を効率よく施工できます。

一方で、機械を動かせば自動的に高品質になるわけではありません。

ノズルの選定、圧力、移動速度、塗料状態などを調整するのは作業者です。

狭い場所や細部では、刷毛による手作業も欠かせません。

機械の効率と職人の判断を組み合わせることが、安定した品質につながります。

環境へ配慮する技術

洗浄で落とした汚れ、旧塗膜、使用済み研掃材、塗料容器などを適切に管理します♻️

海や周辺へ流出させないよう、回収と養生を行います。

スプレー塗装の飛散も、周辺環境へ影響します。

塗料使用量を正確に計画し、余分な廃棄を減らすことも重要です。

高い塗着効率を持つ設備を適切に使用すれば、飛散と材料ロスを抑えられます。

環境へ配慮しながら品質を確保することが、これからの船舶塗装業には求められます。

まとめ

船舶塗装業では、塗装技術と同じくらい、安全管理と品質検査が重要です。

高所、閉鎖空間、粉じん、塗料蒸気、火気などの危険を確認し、適切な保護具と作業体制を整えます。

施工中は塗り残しやたれを確認し、完成後には膜厚、塗膜欠陥、密着状態などを検査します。

さらに、工程や検査結果を記録し、次回の修理や塗り替えへつなげます。

機械を使いこなしながら、細部は職人の目と手で仕上げ、若い世代へ技術を伝えることも欠かせません。

船の安全と寿命を支える塗膜を、確実に完成させること。それが、船舶塗装業に求められる総合的な技術なのです✨