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日別アーカイブ: 2026年8月28日

宝企画のよもやま話~船舶塗装業の人材・品質管理~

皆さんこんにちは!

株式会社宝企画の更新担当の中西です。

 

~船舶塗装業の人材・品質管理~

 

船舶塗装業における需要を考えるとき、船の数や修繕工事だけを見ていてはいけません。

もう一つ非常に重要なテーマがあります。

それが、船を塗れる職人をどう確保し、育てていくかという問題です。

船舶塗装は一般住宅の塗装とは作業環境が大きく異なります。

巨大な船体。

高所。

狭いタンク。

造船所の工程。

大型の塗装設備。

厳しい品質要求。

こうした現場で安全かつ確実に施工するには、専門的な経験が必要です‍♂️

そのため船舶塗装会社にとって最大の財産は、塗料や機械だけではありません。

現場を理解し、品質を作れる人材そのものです。

今回は、人材不足、技術継承、デジタル化、品質管理という視点から、これからの船舶塗装業にどのような需要と可能性があるのかを考えてみましょう。

船舶塗装は誰でもすぐできる仕事ではない

塗装という言葉だけを聞けば、

塗料を塗るだけ。

と思われるかもしれません。

しかし船舶塗装では、

塗料の種類。

表面処理。

膜厚。

乾燥。

塗り重ね。

温度。

湿度。

など、多くの条件を理解する必要があります。

さらに部位によって用途も違います。

船体外板。

船底。

甲板。

タンク。

それぞれ同じ塗装仕様ではありません。

「どこを、何のために塗っているのか」

を理解する。

これが職人として成長する第一歩です。

スプレー塗装には経験が必要

大型船の塗装では、スプレー機器を使用して施工することがあります。

一見するとガンを左右へ動かしているだけに見えます。

しかし実際には、

ガンと塗装面の距離。

移動速度。

角度。

重ね幅。

塗料状態。

を調整します。

近すぎる。

遅すぎる。

同じ場所へ重ねすぎる。

それだけで仕上がりに影響します。

広大な面積を均一に施工するためには、経験が必要です。

これが熟練職人の価値です✨

若手を育てなければ受注できても施工できない

会社として営業力があり、

「新しい船を10隻塗ってほしい」

という依頼が来たとしても、施工する職人がいなければ受注できません。

つまり船舶塗装会社にとって採用・教育は、単なる人事問題ではありません。

売上を作るための生産能力そのもの

です。

ベテランが10人退職。

若手が2人しか入らない。

となれば、将来的に施工能力が低下します。

そこで今のうちから若い職人を採用し、技術を教えることが重要になります。

「背中を見て覚えろ」だけでは技術継承が難しい

昔ながらの職人世界では、

「見て覚えろ」

という教育もありました。

もちろん現場を見て学ぶことは大切です。

しかし現在は、

なぜこの下地処理が必要なのか。

なぜこの膜厚なのか。

なぜ乾燥時間を守るのか。

理由まで教えることが重要です。

理解して作業すれば、現場条件が変わっても判断できます。

単なる作業員ではなく、

自分で品質を考えられる技術者

へ育てる必要があります。

写真・動画による教育

技術継承にはデジタルツールも活用できます。

良い施工例。

悪い施工例。

スプレーガンの動かし方。

安全設備。

下地処理方法。

ベテランの作業を動画で残す。

若手が後から確認できます。

今までは、

「あの親方がいなくなったら分からない」

という技術でも、映像・資料として会社へ残せます。

もちろん動画を見るだけで職人にはなれません。

しかし現場教育を補助する教材として非常に有効です✨

塗料メーカー研修との連携

船舶用塗料は進化しています。

新しい塗料。

新しい防汚システム。

環境対応製品。

材料が変われば、施工方法も変わる可能性があります。

そこで塗料メーカーから技術情報を学ぶ。

施工講習。

仕様説明。

現場指導。

を活用する。

これによって職人の知識を更新できます。

船舶の防食塗装・防汚システムにはIMOの性能基準や環境規制が関わるため、現場側も継続的な知識更新が必要です。国際海事機関

一度覚えた技術だけで一生仕事をするのではなく、学び続ける業種なのです。

品質管理担当者の需要も高い

大型造船現場では、実際に塗る職人だけでなく施工品質を管理する人材も重要です。

施工場所。

塗装仕様。

使用材料。

塗膜状態。

工程。

を確認します。

職人一人ひとりが良い仕事をしていても、船全体として品質が統一されなければいけません。

そこで、

現場監督。

施工管理。

検査。

を行う人材が必要になります。

現場作業員から経験を積み、将来は管理職へ。

こうしたキャリアを作ることも採用面で重要です。

バラストタンクなどは特に管理が重要️

専用海水バラストタンク等について、IMOは保護塗装性能基準を設けています。これは腐食防止において、塗装の性能と施工品質が重要であることを示しています。国際海事機関

狭いタンク内部では、

見えにくい。

入りにくい。

塗りにくい。

という条件が重なります。

だからこそ、

塗り残し。

膜厚不足。

細部処理。

などを丁寧に確認する必要があります。

難しい場所を確実に仕上げられる会社ほど、高い信頼を得られます。

安全管理そのものが競争力

船舶塗装では、

高所。

閉鎖空間。

塗料・溶剤。

大型設備。

などを扱います。

だからこそ事故防止が最優先です。

保護具。

換気。

足場。

作業手順。

火気管理。

作業員の体調。

安全に関する確認を徹底します。

事故が発生すれば、

人命。

工程。

取引先。

会社信用。

すべてに影響します。

「安全に仕事を終える能力」そのものが会社の実力です️

外国人材と技能教育という可能性

造船・製造分野では、人材確保の方法も多様化しています。

外国人材を受け入れる場合には、

言葉。

安全教育。

施工手順。

文化の違い。

を考慮しなければなりません。

特に安全指示が正確に伝わらない状態は危険です。

そこで、

写真。

動画。

多言語表示。

図解。

などを活用する。

誰が見ても分かる作業手順を整備する。

これは外国人材だけでなく、日本人新人の教育にも役立ちます。

女性が働ける工程を広げる可能性‍

船舶塗装は体力仕事のイメージがあります。

しかし、

品質管理。

材料管理。

検査。

施工記録。

一部の塗装作業。

など、さまざまな業務があります。

設備の軽量化や作業環境改善を進めることで、多様な人材が活躍できる可能性があります。

「昔から男性中心だから」

で採用対象を狭めるのではなく、仕事の分解と設備改善によって働ける人を増やす。

人手不足への重要な対策になります。

塗装ロボット・自動化との共存

船舶塗装でも将来的に、自動化・ロボット化が進む領域があります。

広い平面。

一定条件の場所。

では、機械による効率化が期待できます。

しかし船には、

角。

裏側。

狭所。

複雑な構造。

補修箇所。

が数多くあります。

現場ごとに状況が違う修繕では、人間の判断が特に重要です。

つまりロボットが登場したから塗装職人が不要になる、という単純な話ではありません。

機械に任せられる部分は機械へ、人にしかできない判断は人へ。

こうした役割分担が進むでしょう

デジタル膜厚管理への需要

品質管理もデジタル化できます。

膜厚測定。

施工写真。

使用材料。

施工場所。

をデータとして保存する。

紙だけで管理するより、検索・共有しやすくなります。

例えば船ごとに、

船底。

外板。

タンク。

の施工履歴を管理。

次回修繕時に確認。

すると過去の状態と比較できます。

デジタル化によって、経験を「会社の資産」として残せます。

ドローン・カメラによる点検支援

大型船では高所確認に時間がかかります。

状況によっては、カメラやドローンなどの技術を補助的に活用し、塗膜・外観状態を確認する方法も考えられます。

もちろん実際の補修判断には近接確認が必要になるケースがあります。

しかし、

事前調査。

記録。

施工前後比較。

にはデジタル技術が役立ちます。

船舶塗装会社も「塗装だけ」の会社から、点検・記録・メンテナンスまで支援する会社へ進化できます。

環境対応によって新しい知識が必要

船舶分野では環境負荷低減が重要なテーマです。

防汚塗料についてもAFS条約による有害物質規制があり、IMOはバイオファウリング管理についてもガイドラインを更新しています。国際海事機関

さらに船舶の省エネルギー技術の中では、低摩擦・低燃費型船底塗料も開発対象となってきました。国土交通省

つまり今後の塗装職人には、

塗れる。

だけではなく、

なぜこの塗料を使うのかを理解する力

がさらに重要になります。

地域造船業を支える協力会社としての需要

造船所は一社だけですべての工程を行っているわけではありません。

多くの協力会社が、

溶接。

配管。

電気。

足場。

塗装。

などを担います。

そのため地域に高い施工力を持つ船舶塗装会社があることは、造船所にとって大きな価値です。

必要なときに職人を配置できる。

工程を守れる。

品質を守れる。

安全管理できる。

このような会社は、長期的なパートナーとして必要とされます

修繕船を取り込める会社はさらに強い⚓

新造船だけに依存すると、造船受注の波に影響されます。

そこで、

新造船塗装。

修繕船。

漁船。

部分補修。

複数の市場へ対応する。

すると需要を分散できます。

特に修繕船は、船が使用され続ける限りメンテナンスが必要になるため重要な市場です。

「造る船を塗る会社」だけではなく、

地域の船を守り続ける会社

になることで、事業基盤を強くできます。

人材を持つ会社そのものが価値になる‍♂️✨

これからの船舶塗装業では、

施工機械を何台持っているか。

以上に、

技術者が何人いるか。

若手が育っているか。

現場を任せられる職長がいるか。

が重要になります。

大型船の塗装は一人ではできません。

人材を組織として確保し、教育し、安全に動かせる会社。

その存在そのものが造船業界のインフラになります。

船舶塗装は未来の海運を支える専門技術

世界の物流が動けば、船が動きます。

船が動けば、船体は海水や潮風にさらされます。

その船を長く使うには、適切な防食・防汚・メンテナンスが必要です。

新しい環境規制。

高性能塗料。

省エネ技術。

デジタル管理。

業界が進化しても、最後に現場で品質を形にする人は必要です。

だからこそ船舶塗装業は、

古い職人仕事

ではありません。

造船技術・材料技術・環境技術を現場で完成させる専門産業です

人材育成。

安全。

施工品質。

デジタル化。

環境対応。

これらを一つずつ高められる会社ほど、これからの造船所・船主・修繕事業者から信頼される存在になります。

船が造られる限り。

船が修理される限り。

そして海を走り続ける限り。

その船体を守る船舶塗装業の仕事も続きます。

「塗ることで、船を守る。船を守ることで、海の物流を支える。」

そんな大きな役割を担う専門職として、船舶塗装業はこれからも造船・海運産業に欠かせない存在であり続けるでしょう‍♂️✨